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【トピックス】非正規公務員という存在-自治体職員の3人に1人が非正規

増える臨時・非常勤!

一般市では36.9% 町村では38%

 

 2012年に実施された自治労の調査「自治体臨時・非常勤等職員の賃金労働条件制度調査」によると、自治体で働く臨時・非常勤職員は70万人と推定され、今や3分の1を超える職員が非正規公務員(非正規労働者)となっている。

 

 調査自治体における臨時・非常勤の平均比率は33.1%。2008年の調査では27.6%となっており、臨時・非常勤の比率は拡大傾向にある。40%以上に自治体も全体の3.5割、うち50%以上の自治体も1割程度(80団体)あることがわかった(図表-上)。

 

 職種別にみると、学童指導員92.8%、消費生活相談員86.3%、図書館職員67.8%、学校給食調理員64.1%、保育士52.9%と、自治体が直接提供している公共サービスを、臨時・非常勤等職員が基幹的に担っている現状が浮き彫りになった(図表-下)。

 

 また、多くの臨時・非常勤が年間賃金200万円以下と低い賃金水準であり、6割以上が正規職員に準じた勤務時間で働いている。 

 

■地方自治体の役割は「福祉の増進」から排除されたものによって担われている

 「地方自治体の役割は『住民の福祉の増進を図ること』(地方自治法1条の2)にある。この役割を達成するため、地方自治体は公務員を雇い公共サービスを提供する。だがその担い手である地方公務員の3人に1人は、働き続けても、独立して生活できない賃金や報酬しか支払われず、常に雇い止めの危機に晒されている不安定雇用の非正規の公務員である。

 いまや、『住民の福祉の増進」という地方自治体の役割は、『福祉の増進』から排除されたものによって担われている。」

 (※上林陽治著「非正規公務員という問題(岩波ブックレット)」より)

 

■法律の谷間に置かれる地方自治体で働く臨時・非常勤等職員 

 地方自治体で働く臨時・非常勤等職員は、一般企業の社員や団体の職員と労働条件にかかわる法律が異なる。地方公務員には、地方公務員法(地公法)や地方自治法があるが、これらの法律が制定された時には今のように恒常的に働く臨時職員や非常勤職員はいなかった。その後、自治体で働く臨時・非常勤等職員が増加し、担う仕事も変化したにも関わらず、法律は変わらない。そのため、地公法、地方自治法の中で臨時職員や非常勤職員の位置付けがあいまいになっている。

 一方で、民間労働者に適用されるパート労働者のためのパート労働法(均衡待遇等)や労働契約法(雇止め法理等)は適用されない。まさに「法律の谷間」に置かれており、自治体で働く臨時・非常勤等職員には、雇い止めや通勤費、超勤の未支給、休暇制度の未設置などさまざまな課題が生じている。

 

■今後の自治労の取り組み

 自治労では、地公法改正など法整備に向けて、組織内議員らとともに地方議会に働きかけ、首長から国に対し法整備を求めていくよう要請するなど取り組みを進めていく。

 

 

★関連記事 ⇒ 福井県自治研センターホームページより

        ちょっといって講座(講演会)「非正規公務員問題、何が問題なのか


 
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